ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

加納新太『君の名は。Another Side:Earthbound』

おはようございます、ゆまコロです。

 

加納新太  新海誠(原作)『君の名は。Another Side:Earthbound』を読みました。

 

映画を観てから読みました。

主人公たちの周りにいる登場人物が、同じ物語を見て語っているので、同じ情景でも見方が変わって面白いです。

 

いろいろ味わい深いのですが、特にお父さんの話が好きです。

以下は四葉(次女)が生まれた時のお父さんの気持ちです。

 

「分娩室と廊下を隔てる重い樹脂製の引き戸が解放されたので、中に飛び込んだ。いつかと同じで、赤ん坊を目にする前から、またしても正体の知れない感動がなだれ込んできて俊樹の周囲を満たした。

  俊樹にはその正体がずっとわからなかった。あとになって、それは自分自身より大切なものがこの世にまたひとつ増えたことに対する心のふるえなのだと理解できた。

  まったく、不思議なことがいくつもあるものだ。

  昨日までこの子は存在していなかった。

  今は存在している。」

 

映画を観ただけの時より、この話が好きになりました。

 

最後まで読んで下さりありがとうございました。

 

君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)