こんばんは、ゆまコロです。
中島義道『醜い日本の私』を読みました。
中島先生のヨーロッパでの買い物のやりとりが面白いです。予約を入れたチケットが届かず、お客側には何の非もないのに、店員さんからは絶対に「ごめんなさい」を言って貰えなかったり、タバコを売るお店でタール値の低いものを求めたら「私は吸わないので分かりません」と言われたり。
他にも色んなトラブルがあるのですが、面白くてこの辺りの箇所は何回も読んでしまいました。
中島先生は自分が嫌だと感じることを他の人に分かってもらえず、相手を説得したり意見を言うことが多いようです。衝突することが多く、大変そうだなという印象を受けます。
でもその分、少数派の声を大事にしようとする姿勢が感じられました。
「他人の気持ちをわかろうという教育ではなく、他人の気持ちはわからないかもしれないが、自分と異なった他人の気持ちを尊重しよう、という教育はできるはずだ。異なったものを排除するのではなく、同一化するのでもなく、異なっていることを認めたうえで、そのものとしては理解できないことを認めたうえで、彼らも自分と同じように生きる権利をもつことを承認することはできるはずだ。それこそが、真の意味での「共生」であると思う。」
優しい視点だとと思いました。なんとなく、最果タヒさんと言ってることが似ている感じがしました。
●どんな人に読んでもらいたいか
他国と比べて日本の悪いところが気になる人。
哲学が好きな人。
最後まで読んで下さってありがとうございました。