ニジタツ読書

マイペース会社員のゆるふわ書評。なるべく良いところを汲み取ろうとする、やや甘口なブックレビューです。

アップグレードは豊かさをもたらすのか。『ホモ・デウス(下)』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ユヴァル・ノア・ハラリさん、柴田 裕之さん(訳)『ホモ・デウス(下)』を読みました。 神や国家といった想像上の存在を人々に信じさせたかったら、彼らに何か価値あるものを犠牲にさせるべきだ。その犠牲に伴う苦痛が…

歴史学者が見る、人類の行く先。『ホモ・デウス(上)』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ユヴァル・ノア・ハラリさん、柴田 裕之さん(訳)の『ホモ・デウス(上)』を読みました。 テレビでハラリさんがお話するのを何度か見かけて、そのたびに気になっていた本です。 タイトルのホモ・デウスが何のことかは…

無関心は攻撃者の利益。『夜』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 エリ・ヴィーゼルさん、村上 光彦さん(訳)『夜』を読みました。 1940年にナチス・ドイツの占領下となったルーマニアのシゲット出身のヴィーゼルさんは、16歳のときに家族とともに強制収容所へ送られています。 (…)よ…

足るを知る喜びと満足を目指して。『心の中がグチャグチャで捨てられないあなたへ』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ブルックス・パーマーさん、弓場隆さん(訳)『心の中がグチャグチャで捨てられないあなたへ』を読みました。 著者は、ロサンゼルスとシカゴを拠点に家庭や職場の片づけを手伝っているという片づけコンサルタントです。 …

チェコの歴史が垣間見える。『僕の陽気な朝』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 イヴァン・クリーマさん、田才益夫さん(訳)の『僕の陽気な朝』を読みました。 イヴァン・クリーマさんはプラハの春事件(1968年に起こったチェコスロバキアの変革運動)前に、ミラン・クンデラら作家たちと共産党批判…

国際社会の直視と連携が不可欠では。『ウイグル大虐殺からの生還〜再教育収容所地獄の2年間』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 グルバハール・ハイティワジさん&ロゼン・モルガさん、岩澤雅利さん(訳)『ウイグル大虐殺からの生還〜再教育収容所地獄の2年間』を読みました。 タイトルに「ウイグル大虐殺」とあるように、新疆ウイグル自治区で起…

なぜそれは行われたのか。『ホロコースト〜ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 私は学生の頃からずっとアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所へ行ってみたいと思っているのですが、なかなか訪れる機会がなく、その日のためにホロコーストに関する本を時々探しています。 芝健介さんの『ホロコース…

目標に必要な自分の姿が見えてくる。『一流の達成力』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 原田隆史さん、柴山健太郎さんの『一流の達成力〜原田メソッド「オープンウィンドウ64」』を読みました。 オープンウィンドウ64とは、著者の原田隆史さんが教師生活のなかで確立した「優れた人格・人間力を土台に、…

対局の人の立場に立ってみる。『自転しながら公転する』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。山本文緒さんの『自転しながら公転する』を読みました。 娘が温泉へ行った日、夫から定時で帰ってくるとメールが入ったのでしぶしぶ台所に立った。 夫がインターネットで探してきた、具材が切ってあり、炒めるか煮るかす…

記憶と現実の歩み寄りの旅。『ホロコースト最年少生存者たち』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 レベッカ・クリフォードさん、山田美明さん訳、芝健介さん監修『ホロコースト最年少生存者たち〜100人の物語からたどるその後の生活』を読みました。 シビルを引き取り、収容所から連れ出してくれたこの女性は、レジ…

自己制御のための睡眠。『スゴい早起き』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 塚本亮さんの『頭が冴える!毎日が充実する!スゴい早起き』を読みました。 毎日寒いですね。 こんな季節に「早起き」なんて言葉、聞きたくないと思います。 しかし先日、在宅勤務なのを良いことにギリギリまで寝ていて…

引き算美容の魅力。『女医が教える、やってはいけない美容法33』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 慶田朋子さんの『実は老化を加速!女医が教える、やってはいけない美容法33』を読みました。 慶田朋子さんは銀座にあるクリニックの美容皮膚科の先生です。 正直なところ、ゆまコロはお化粧があまり得意でなく(仕事の…

差別してない、は見えてないだけかも。『あいつゲイだって―アウティングはなぜ問題なのか?』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 松岡宗嗣さんの『あいつゲイだって―アウティングはなぜ問題なのか?』を読みました。 社内報で、アウティングの危険性についての記事を読み、そこで、一橋大学アウティング事件について知りました。 一橋大学アウティン…

チームが機能する喜び。『ゼロからいくらでも生み出せる!起業1年目のお金の教科書』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 今井孝さんの『ゼロからいくらでも生み出せる!起業1年目のお金の教科書』を読みました。 急ぎ起業する予定は特にないのですが、この著者の他の本を探している時、こちらも面白そうと思って手に取りました。 意外と、起…

まだ全部締め、しかできない。『やせたいなら肛筋を鍛えなさい』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 久嬢由起子さんの『やせたいなら肛筋を鍛えなさい』を読みました。 この本の裏表紙に、「「尿道」「膣」「肛門」別々に締めることができますか?」と書いてあります。 ゆまコロは去年からピラティスに通い始めたのですが…

生き方を考えることはお金をどう使うか考えること。『三千円の使いかた』を読んで

こんばんは、ゆまコロです。 原田ひ香さんの『三千円の使いかた』を読みました。 母が原田ひ香さんにハマっており、その中でもこれは特におすすめ、と貸してくれたのがこの本です。 主人公となる語り手は、御厨家の女性たちです。 ・就職して一人暮らしをは…

違う立場から見る戦争。『ボマーマフィアと東京大空襲―精密爆撃の理想はなぜ潰えたか』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 マルコム・グラッドウェルさん、櫻井祐子さん訳『ボマーマフィアと東京大空襲―精密爆撃の理想はなぜ潰えたか』を読みました。 「ボマー(爆撃機)マフィア」とは、米陸軍航空隊戦術学校のリーダーたちのことを指していま…

すぐに動きたくなる。『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 ジム・ロジャーズさん、花輪陽子さん/アレックス・南レッドヘッドさん(監修翻訳)の『世界大異変 現実を直視し、どう行動するか』を読みました。 ジム・ロジャーズさんは、世界三大投資家の一人として注目される投資家…

どの道を選んでも、肯定できる女性たちの姿。『マイ・アントニーア』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 先日、友人と話していて、私が学生時代にコロラド州へホームステイをした話になり、その友人(職業は英語教師)が「以前、コロラドが出てきた話を英語で読んだことがある」とウィラ・キャザーさんの本を教えてくれました…

茨の道を、選べるのはまだ幸せなのか。『母親になって後悔してる』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 オルナ・ドーナトさん、鹿田昌美さん訳『母親になって後悔してる』を読みました。 このタイトルを一目見て、こんなセリフ、母親から言われたらショックだけど、少なからずこういう気持ちになったことはあっただろうな、…

少しの工夫の大きな差。『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』を読んで

こんにちは、ゆまコロです。 越川慎司さんの『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』を読みました。 表紙の、「最小の努力で残業沼から抜け出せる」という言葉が気になって手に取りました。 「自分はダメだ」 と思い悩んでしまう人へ→自己否定は「妄想」…

個性と個性がぶつかる時。『一度きりの大泉の話』を読んで

5おはようございます、ゆまコロです。 萩尾望都先生のエッセイ、『一度きりの大泉の話』を読みました。 この本は、萩尾先生が1970年10月から1972年11月始めまで、大泉で生活されていた頃のお話が中心に書かれています。 このお家には、竹宮惠子先生が一緒に…

自分さえ良ければいい、からの脱却。「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 苫米地英人さんの『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』を読みました。 断捨離という言葉が好きな私。 「頭のゴミ」ってなんだろうと思って手に取りました。 一流企業の不満社員 あなたのまわりにもこんな人…

なんとかテニスを続けたい。『ヘバーデン結節の8割は食事でよくなる!』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 私は30代に入ってからテニススクールに通い始めました。 去年の夏、スクールでの受講中、これまで感じたことのない体の一部分が痛くなり、違和感を覚えました。 右手中指の第一関節が痛い。 何をしていても痛くてたまら…

自分を強く持つ。『鋼の自己肯定感 最先端の研究結果×シリコンバレーの習慣から開発された“二度と下がらない”方法』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 宮崎直子さんの『鋼の自己肯定感 最先端の研究結果×シリコンバレーの習慣から開発された“二度と下がらない”方法』を読みました。 世界中から優秀なエンジニアたちが集まってくるシリコンバレー。個性、 自由な発想、そし…

私のための価値ある勉強。『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 鳩山玲人さんの『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』を読みました。 「大人の勉強は学生時代の10倍の価値がある」という帯が気になって手に取りました。 これは考えたことなかったな、と思ったのは、…

先人たちの教えから足元を見直す。『内村鑑三「代表的日本人」を読む 西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮』を読んで 

おはようございます、ゆまコロです。 童門冬二さんの『内村鑑三「代表的日本人」を読む 西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮』を読みました。 佐藤優さんの『危機の読書』を読んでいて出てきた本です。 ただ、もともとは諸外国に日本人とはこうい…

強く自由でまっすぐな生き方。『TOVE トーベ』

おはようございます、ゆまコロです。 アマゾンプライムビデオで『TOVE トーベ』を観ました。 原作のムーミンがとてもとても好きなので、ずっと観たかった映画です。 お気に入りのシーンは以下の場面です。 スウェーデン劇場にて、ムーミンのお芝居を練習中の…

これが危機でなくて何なのか。『危機の読書』を読んで

おはようございます、ゆまコロです。 佐藤優さんの『危機の読書』を読みました。 著者は外交官でもある作家さんです。 帯に「生き延びるためのブックガイド」とあり、気になって手に取りました。 手嶋 龍一さんの『鳴かずのカッコウ』と、著者のモスクワの日…

悲劇の定義。『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実 本当の悲劇は何だったのか』を読んで

こんにちは、ゆまコロです。 西岡昌紀さんの『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実 本当の悲劇は何だったのか』を読みました。 著者の西岡昌紀さんはナチスのユダヤ人を差別・迫害の事実を認めていますが、そのドイツと言えど、彼らが、ユダヤ人をただユダヤ人…